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Jun28

わかりやすい人事と見えてきた菅戦略

 昨夜の菅内閣プチ人事を受け、野党はもちろん与党内からも反発の声が上がっている。しかし、個々の動きに踊らされず、大局で見れば、菅さんのバルカン政治家らしい戦略(=それも案外シンプル)が見えてくる。
 ◎細野さんが原発担当相に抜擢されたのは・・・静岡出身で浜岡原発問題に奔走した過去を持つ強みを、原発安定化に生かしたいと思ったから。
 ◎馬淵さんを総理補佐官から外したのは・・・次期代表選に意欲を見せ、寝首をかこうとしたから。
 ◎蓮舫さんを行革相から外したのは・・・官僚の力なくしては菅さんの延命は果たせず、特別会計の仕分け実施などによって、これ以上、官僚との全面戦争はしたくないから。
 ◎亀井さんが補佐官にとどまったのは・・・菅さんが自分が唱えた大幅改造を飲まなかったことと、自分が入閣すれば盟友の自見さんが閣外に去らなきゃいけなくなるから。
 ◎浜田さんが政務官になったのは・・・大幅改造を狙い亀井さんと村上正邦さんが参自民に手を伸ばした後、小幅人事が決まり、「ポストがないんじゃ・・・」と他がどん引きする中、誘いに乗ったのは、浜田さんだけだったということ。
 人事の背景はざっとこんなところだが、この時期に人事を行った菅さんの狙いは「脱原発」一点突破による政権維持だ。「3法案成立が(退陣の)メド」と語った菅さんだが、再生エネルギー法案はおいそれと通らないことを見越している。特例公債&二次補正は、土壇場になれば自民公明も飲むしかないが、エネルギーはそうはいかない。
 菅さんとしては、8月の広島長崎で、プラハでのオバマ演説(09年4月)のように「反核&反原発」を高らかに謳い上げ、エネルギーシフトの是非を争点にした総選挙も視野に、勝負をお盆明けだと見据えているのではないか。その背景には亀井さんの「小泉を見習え」があるだろうし、今月4日に急逝した元連合会長、笹森氏の「辞めるな」という遺言が胸に刺さっているのだろう。
 加えて、ポスト菅は不在。野田さんは脱税社長からの献金、前原さんも在日韓国人女性からの献金でイメージダウン。馬淵さんは遠ざけ、仙谷さんには協力を求めた。そのこともトカゲ(とてつもなく菅さんは元気)状態を作っている要因だろう。
 そんな中、拙著第25弾となる政治本『国会崩壊』(仮)の出版が、1ヶ月早まり、9月半ばになりそう。政局が盛り上がるのでいい時期なのだが、どこまで最新情報を盛り込めるか、なかなか難しそう。
 
 

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