大人も子供も笑顔になれる社会に 清水克彦公式ホームページ

過去の記事

最新情報

Jun18

安全か経済か・・・日独伊3国同盟ならず

 海江田経済産業大臣が、今日、「定期検査中の原発はすべて安全だと分かったので各自治体に運転再開を要請した。住民の皆様には政府が責任を持って説明していく」と述べた。この発表には驚くばかりである。
 震災100日を迎えて、福島は1号機から4号機まで不安定なまま。汚水処理は特に不具合が相次ぎ、危険な状態。そういう中で、点検中の原発を稼動させるという政府の対応は解せない。しかも、政府の要請に呼応して唯一再開に前向きな佐賀の玄海原発にはMOX燃料が入っている。
 確かに、わが国では54基ある原発のうち17しか稼動していない状態。しかも、この17基も次々と点検に入り、来春には稼動している原発はゼロになる。そうなると電力不足が一段と深刻化し、経済に深刻な影響を与えるのは事実。とはいえ、国民の、対原発以上に政府の発表に対する不信感が根強い今、「安全」という言葉をお百度聞かされても「?」と思うのが当然だろう。
 基本的なことで言えば、1年間の許容被ばく量が国際基準では1ミリシーベルトとされている中、なぜ20ミリまで許容にしているのか説明がない。20ミリシーベルトは、単純に1ミリの20倍の発がんリスクがあるにもかかわらず、である。
 太陽光や地熱など自然エネルギーへの移行が進むまでは、ある程度の電力は原発で賄わざるを得ないとしても、震災100日で原発再開に舵を切るというのは、ドイツやイタリアの姿勢とはあまりにかけ離れた愚策だ。
 世界で唯一の被ばく国である日本は、東京電力の人災によって二度目の被ばくを経験している。その受け止め方が、当事者の日本政府はあまりに軽い。

TOP | 最新情報 | プロフィール | 出版書籍 | リンク
メールはこちら
Copyright © shimizu katsuhiko right reserved.