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Feb28

間違った「政治主導」の悪夢

 福島第1原発事故をめぐり、民間の事故調査委員会が報告書を公表した。
 事故を深刻化させ、無用の混乱を招いた元凶として、当時の菅内閣が、東電や原子力安全・保安院に対し強い不信感を抱いていたこと、そして、官邸、中でも菅総理が細かく現場に介入したことなど、リスクを高めた可能性は否定できないと結論づけている。
官邸2.jpg これらは極めて客観的な分析だ。
 放射性物質拡散を測定するSPEEDIに関しても、公表しなかった政府だけでなく、我々メディアの責任にも言及している。
 これも的を射た指摘だったと思う。ただ残念なのは、報告書に強制力がない点だ。
 あとは、この分析を踏まえ、今度は国会の事故調査委員会でもきちんとした結論を導き出してほしい。
 福島の悲劇は、元は天災であっても、東電の無責任さと組織的な怠慢、さらには菅内閣の間違った「政治主導」が招いた人災でもある。
 菅総理はさっそく時事通信とのインタビューで、「総理の陣頭指揮は異例だが、やらざるをえなかったからやった」と語っている。 しかし、そうだろうか? 
 官僚を遠ざけ、東電を信頼せず、一人相撲を取った結果、情報が上がらなくなったという反省はあっていい。
 今日の民間事故調の会見でも「普通、国家の危機となると支持率が上がるのに、なぜ下がったのか」という話が出た。
 菅さんもだが、現在の野田内閣も、同じ轍を踏まないよう、本来の「政治主導」を、天変地異の際にも発揮してもらいたいと願う。

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