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May26

ひとつになるなニッポン

 菅さんはフランス・ドービル。総理がいない間に政府は、海水注入の問題でまたしても東電と発表内容が食い違って醜態をさらし、民主党内は菅降ろしの誕生会以降、再び政局の火種がくすぶり始めた。サミットの会場では、原発推進派の米仏と脱原発に舵を切った独伊に挟まれ、日本に帰れば八方から弾が飛んでくる・・・総理も楽じゃない。
 さて表題の「ひとつになるなニッポン」である。原発事故をめぐってはメディアも批判に晒されているが、もうひとつ指摘したいのが「がんばろう日本」「つながろうニッポン」という洗脳である。私も被災地支援に前向きで、これに異を唱えるつもりは毛頭ないが、「私は興味ない」「震災自体、関係ない」という声が全くオンエアされないことに、民主国家として、やや違和感を覚えるのだ。
 表題の「ひとつになるなニッポン」とは、『新潮45』6月号での養老孟司さんと池田清彦早大教授による対談のタイトルだが、「ひとつになろう」「つながろう」の連呼が、共感うつを増加させ、経済自体も余計にシュリンクさせているというのは考えすぎだろうか。
 加えて言えば節電である。節電=当然のこと、と受け止められているのは理解できる。とはいえ、たとえば、お年寄りやベビーカーを押しているママたちも使う駅のエスカレーターまで止める必要があるのか。もう一度立ち止まって考えてみるのもいいのではないかと思う。
 

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